先週末に予告しました「タイでの大学間協定締結や特別講演」はもう少し後に紹介させていただくとして、月曜に香川県議会での「地域医療構想に関わる特別委員会審査」において、香大医学部長として参考人招致を受けてまいりましたので、今日はこちらを報告させていただきます。

写真:県議会の会議室にて
医学部長に就任するまでは私は研究ばかりやっており、地域医療に関する事は臨床の先生方に任せればいいやなどと考えておりましたが、医学部長を拝命してからは香川県全体の地域医療に関することをゼロから学ばせていただいております。私が理事を拝命しております香川県医師会、後輩の星川先生が理事を務める香川県の健康福祉課の皆様のご協力もいただきながら、文部科学省や厚生労働省の方とも意見交換を頻回に行い、香川県の地域医療についてできる限りの調査を続けております。
その結果、自分なりに理解した事の一つが、香川県は人口あたりの医師が全国平均よりも多いことから「医師多数県」と呼ばれていますが、40代以下の若手医師は全国平均を大きく下回っているという現実でした。これは、臨床研修医制度が開始されてからは、臨床研修医や専攻医として香川県に残る若手医師数が毎年全国平均を人口あたりで大きく下回っていることが一番の原因と考えられます。当然、この状況が続くと香川県は医師の数が激減して医療崩壊を生じる可能性が非常に大きいと予測されますので、私は大きなショックを受けました。
そして、このような現状を一刻も早く打開するため、情報を行政と共有しなければならないと感じ、今回、このような特別委員会を香川県議会で開催していただきました。香川の未来医療を守るために我々は香大医として何をしなければならないのか、そして、何を地方自治体と一致団結してやっていかなければならないのかなどについて、県議会議員の先生方に訴えました。


写真(香川県議会の許可をいただいて掲載しております):特別委員会の様子
議論は白熱し、多くの議員の先生方からは香大医に対する高い期待、ならびに非常に建設的なご意見をたくさんいただき、とても有意義な機会となりました。もちろん、香大医は香川の医療を守るための人材育成を進める義務がありますが、様々な活動に行政や自治体の協力は欠かせませんので、本当に頼もしい限りでした。
香川の医療をみんなで守っていくという大きな目的の達成のためには、皆の力を集結させるしかありません。私は香川の未来医療における香大医の責任をあらためて感じ、今後もありとあらゆる可能な活動を進めていかなければならないと誓いを新たにしました。
皆様、今後とも香大医の活動に何卒お力をお貸しください!!
P.S.
「香川大学医学部50周年特定基金」のお知らせ
香大医は50周年を迎え、文部科学省の予算で老朽化した建物の改修工事を開始いたしましたが、国立大学法人では運営費交付金が年々縮減されておりますため、資金不足で皆様方にご支援をお願いさせていただいております。
香川大学医学部の生き残りをかけ、教職員一同が全身全霊で教育・研究・診療に邁進していく所存でございますので、何卒温かいご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。詳細は以下のホームページをご覧くださいませ。
https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~redevelop/index.html
