生まれ変わる香大医とともに:医学部長ブログ

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香大医5大ニュース③: 大型研究プロジェクトの始動

今週は、昨年2024年に起きた私の中の香大医5大ニュースについて、シリーズでお話ししております。
① 50周年記念に向けた再開発事業の進展
② 高度医療人育成プロジェクトの始動
③ 大型研究プロジェクトの始動
④ 大学財政難による教員人事の一部凍結
⑤ 新たな活動を通じた香大医サポーターとのつながり

このうち今日は、「③ 大型研究プロジェクトの始動」について紹介いたします。香大医では現在いくつか大型の研究プロジェクトが走っておりますが、まず大学全体として実施している大型研究プロジェクトの中で医学部が関与しているものとしましては、昨年度より開始しております文部科学省日本学術振興会(JSPS)「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」があります。こちらは東京藝術大学と本学の連携による構想で、アートと科学技術による「心の豊かさ」を根幹としたイノベーション創出と地域に根差した課題解決の広域展開を実施しております。香大医も医学科、看護学科、臨床心理学科がそれぞれ小豆島を中心とした離島を対象としてプロジェクトを開始しております。私も創発研究科の鈴木桂輔教授とVR/生体モニタリングでレジリエンスが評価できないかというプロジェクトを進めております。

写真:記者会見の模様

次に紹介するのは、「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」(内閣府)です。この事業は、地域の中核となる大学が、独自のミッション・ビジョンに基づく強みや特色を最大限発揮し、地域ニーズに即した社会貢献活動を推進するとともに、同活動を通じた地域行政や産業界からの投資誘発を通じて、大学の財源多様化を進める事を目的としたものです。香川大学の採択課題は「希少糖研究強化による香川地域イノベーション創出活性化」で、医学部は企業と連携して医薬品としての希少糖の開発を展開しております。

そして本年度より、医学系研究科と創発科学研究科のコラボで「JST 次世代研究者挑戦的研究プログラム (SPRING)~博士後期課程学生の挑戦を支援する~」が採択されました。こちらは、博士後期課程学生への経済的支援を強化し、博士人材が幅広く活躍できる独自のキャリアパスの整備をする大学の取組を支援するものです。

図:香川大学SPRING事業

一方、医学部独自に進めております大型プロジェクトとしましては、文部科学省概算要求で「リアルワールドデータを用いた研究の加速を目指した研究基盤構築」が採択され、本年度より6年間かけて臨床研究を重点化するプロジェクトが進められております。具体的には、香大医・附属病院の臨床研究支援センター(センター長:横井教授)にリアルワールドデータ研究支援部門(活用・研究管理・統計支援の3つのチームから成る)を設置し、若手医師の研究能力や研究データマネジメント能力を向上させることを目的としております。

この他にも、本年度実施されているものとしては、内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)度採択による「自律性の向上を促す行動変容介入サービスの基盤技術の研究開発(日下教授)」、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)橋渡し研究プログラムpreF採択による「根治切除不能腎細胞癌に対する希少糖D-alloseを用いた新規治療法の開発(田岡准教授)」と「粘膜再生に最適化した生体吸収性組織再生デバイスの開発(宮下准教授)」、AMED橋渡し研究プログラムB採択による「家族性大腸腺腫症に対する治療ワクチンの開発(私)」などの大型研究プロジェクトが進んでおります。

香大医キャンパスの再開発を進めておりますが、新しいキャンパスで展開する大型の研究プロジェクトも複数走っておりますので、研究の強化も推進してまいりたいと思っております。小さな研究プロジェクトが大きく育つように、そして新しい研究プロジェクトの芽がどんどん出てくるように、研究環境を整備していければと思っております。応援を宜しくお願い申し上げます!

P.S.
香川大学医学部50周年特定基金」のお知らせ
香大医は50周年を迎え、文部科学省の予算で老朽化した建物の改修工事を開始いたしましたが、国立大学法人では運営費交付金が年々縮減されておりますため、資金不足で皆様方にご支援をお願いさせていただいております。
香川大学医学部の生き残りをかけ、大型研究プロジェクトを推していく所存でございますので、何卒温かいご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。詳細は以下のホームページをご覧くださいませ。
https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~redevelop/index.html