生まれ変わる香大医とともに:医学部長ブログ

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香川大学医学部で活躍する教員紹介シリーズ:鈴木裕美先生 先生

先日、香川大学医学部・衛生学の鈴木裕美先生の活動の紹介をお願いしましたところ、不登校の子どもたちやその保護者が安心して過ごせる居場所「フリースペース@三木町」についてご説明いただきましたので、今日はブログで紹介したいと思います。
 

鈴木先生によりますと、「フリースペース@三木町」とは香大医と三木町の協力により、2019年に白山文化センターに開設されたそうです。不登校の子どもが増加する中、学校以外で安心して過ごせる環境を提供することを目的としているとのことでした。それまで三木町では、教育支援センターが中学校内にあるため、小学生や学校に通いづらい子どもにとって利用しにくい状況があったそうです。そこで、地域の声を受けて開設されたこのフリースペースが、多くの子どもたちの大きな支えになっているのだそうです。
鈴木先生は、フリースペースを運営する上で特に大切にしている点を挙げてくださいました。学校の出席認定フリースペースへの参加が学校の出席として認められることで、外に出るきっかけとなるそうです。そして、保護者のサポート無料相談や親の会を開催し、保護者の不安を軽減する支援を行っているとのこと。学校関係者との連携スクールカウンセラー養護教諭と協力し、個々の子どもに応じた支援を提供しているそうです。地域住民と一体となった活動で素晴らしいですね。「子どもたちはここで、ボール遊び、絵画、ボードゲーム、工作などを自由に楽しんでいます。また、医学生や留学生との交流の機会もあり、社会とのつながりを広げる場にもなっています。」と鈴木先生は話してくださいました。ここでの経験を通じて、家にこもりがちだった子どもが少しずつ自信を取り戻し、進学や社会参加につながるケースも増えているそうです。「保護者の方からも『子どもが安心して過ごせる場所ができてよかった』『外出のきっかけになった』『地域の大人や留学生との交流が良い経験になった』といった喜びの声を多くいただいています」と鈴木先生は語ります。
 

写真:ブルネイからの留学生と子供達との交流

鈴木先生は、印象に残っているエピソードとして、ある卒業生の話をしてくださいました。「3年間引きこもっていた中学1年生の男の子が、フリースペースを通じて少しずつ外に出られるようになり、最終的には県外の大学に進学しました。彼は『ありのままの自分を受け入れてもらえたことが大きかった』と話していました。」このような成功事例が増えていることは、フリースペースが子どもたちにとって大切な存在であることを物語っています。

鈴木先生へのインタビューを通じて、「フリースペース@三木町」が単なる居場所ではなく、子どもたちが安心して過ごし、成長できる場であることを改めて感じました。不登校は特別なことではなく、誰にでも起こりうることです。だからこそ、地域全体で子どもたちを見守り、支えていくことが大切です。この活動がより多くの方々に知られ、温かい支援の輪が広がることを願っています。また、昨日は薬理学教室でミャンマーでの小児医療活動について流暢な英語でレクチャーをしていただき、院生のみんなから質問攻めでした。引き出しをたくさんお持ちの鈴木先生のますますの活動のご発展を心より祈念申し上げます、頑張ってください!

 

P.S.
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