私の父、西山剛史は、今年で85歳になります。昭和15年生まれの父は、長年にわたり整形外科医として多くの患者さんと向き合ってきました。今もなお現役で、介護事業を中心に元気に飛び回っております。父は若いころ、岡山の山奥で生まれ、上京して親戚の家から中学・高校で学び、都内の大学を卒業後、岡山に戻って倉敷市玉島に病院を築きました。周囲に高齢者施設や介護サービス事業を併設し、地域の医療と福祉の基盤を整えていったその姿勢には、今も頭が下がります。その後、病院は私の弟がしっかりと受け継ぎ、家族で医療と地域の支え合いを大切にしてまいりました。

写真:私の父です
そんな父にも意外な一面があります。それは「絵を描くこと」です。私がまだ5歳くらいのころ、父は突如として絵を描きはじめました。それまで美術に興味があったわけでもなく、学生時代も特に絵が得意だったという話は聞いていませんでした。ところが、病院の経営が少し落ち着きはじめた頃、絵を描き始めたのです。当時、私たち家族は病院の3階に住んでおり、父は夜間も1人で救急患者を受け入れていました。毎日が当直という状況の中で、ほんのひととき自分の心を落ち着ける手段として、絵がちょうどよかったのかもしれません。描いた絵はどれも温かみがあり、素人とは思えない繊細なタッチで、自然の風景や街並み、人の表情を丁寧に描き出しています。やがてその絵は各地の展覧会で評価され、数々の賞を受けるようになりました。父のこだわりが、医療とは異なる形で多くの方の心に届いたのでしょう。

写真:倉敷市立美術館で個展を開催した際の看板、父の直筆ですが、私は子供の頃、マジで「速記」だと思っていました笑
そして先日、倉敷で父の個展が開催されましたが、ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。父の長年にわたる数多くの作品の中から、特に表彰を受けた数点の絵を、私がお願いして譲り受けることができました。これらの絵を香大医のキャンパス内に飾ろうと考えています。医療や研究、学業に日々取り組んでいる学生や教職員の皆さんが、ふとしたときに父の絵に目を留めて、少しでも心がほぐれるようなひとときを持っていただけたらと思っております。芸術は、人の心を癒す不思議な力を持っています。香大医のキャンパス全体が、学びだけでなく、心が安らぐ空間にもなるように、これからも工夫を凝らしていきたいと思います。

写真:「あづま」のうどん、鳥天と筍の天ぷら(本文とは全く関係ありません)
香川大学医学部が目指す医療とは、単に治療や技術の向上を追求するだけでなく、人の心に寄り添うことも含めた「全人的医療」です。今回のように、父の絵を通じて温もりを感じる機会が、日々の学びや仕事に少しでも良い影響を与えることができれば、それは私にとって何よりの喜びです。香川大学医学部は、これからも医療の未来を担う人材を育てる場として、知識と感性の両面を大切にしながら歩み続けます。今後も香川大学医学部をどうぞよろしくお願いいたします。
P.S.
新しい「ふるさと納税」制度のお知らせ
令和7年3月より、香川大学医学部が位置する三木町へのふるさと納税制度を活用して、香川大学医学部・医学部附属病院をご支援いただくことができるようになりました。
未来の医療を担う香川大学医学部の学生や大学院学生、医学部附属病院の研修医及びその指導を行う関係者らのために、本制度によるご寄附にご賛同を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
香川大学医学部は、「地域に根ざし、世界に羽ばたく医療人を育てる」ことを大切にしています。そのためにも、皆さまの温かい応援がとても力になります。「未来の医療を支える学生や医療人のために、一緒に応援しよう!」そんな気持ちでご協力いただけると大変嬉しいです。
是非とも以下のリンクかQRコードをから、どうぞよろしくお願いいたします!https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~redevelop/index.html
