生まれ変わる香大医とともに:医学部長ブログ

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新しいコラボレーションを探してアトア(átoa)へ

先日、神戸にある少し変わった水族館、「アトア(átoa)」という場所を訪れました。ここは「劇場型アクアリウム」とも呼ばれ、芸術と生き物の世界が融合させた新しい形の水族館です。これまでさまざまな水族館を見てきましたが、まるで美術館のような空間に驚かされました。水槽の中を泳ぐクラゲや魚たちが、プロジェクションマッピングという映像技術と光で照らされて、幻想的な風景を作り出しています。照明や音楽、映像が一体となった空間の中に身を置いていると、まるで異世界に迷い込んだような気持ちになります。実はこのアトアには、山本さんという新屋島水族館で以前働いていた方が勤めており、久しぶりに連絡をいただいて訪れることになりました。3年ぶりに再会した山本さんは、すっかり頼もしい存在になっていました。
 

写真:アトアの入り口

アトアの展示は「たくさんの生き物を見せる」ことよりも、「空間の演出で人の心を動かす」ことに重きが置かれていました。展示室ごとにテーマが設定されていて、たとえば「海月(クラゲ)の森」では、柔らかく揺れるクラゲの姿に癒やされながら、優しい音楽と美しい映像が流れ、心がすっと落ち着くような感覚に包まれました。このような展示方法はただ魚を「見て楽しむ」のではなく、「感じて癒される」ことを目的としているように思います。私はこれまで、海の生き物と医学や健康との関係について研究を続けてきましたが、こうした芸術と生き物の融合によって、人の心にやすらぎを与え、ストレスを軽くし、さらには健康や医療に役立てることができるのではないかと、改めて強く感じました。水族館のスタッフの方からも、「ここでは若いアーティストの方と一緒に空間のデザインをしていて、それぞれが自分のテーマを持って表現しているんですよ」と教えていただきました。芸術家の自由な発想と科学が出会うことで、まだ誰も体験したことのない「新しい癒やしの形」が生まれる可能性を感じました。

 

写真:ゆっくりと本を読めるスペースもあります

香川大学医学部には臨床心理学科が設置されており、「医学は人の心とつながっている」ということを重要視しています。人は病気になると体だけでなく心も弱ってしまいます。だからこそ、治療や予防には心のケアが欠かせません。今回のアトアでの体験は、その心(感性)の部分にアプローチできる可能性を示してくれました。アトアから帰る道中、私は創造工学部でデザインを専門とする大場先生に「ぜひ一緒に何かやりませんか?」と声をかけましたところ、予想通り「ぜひ!」と前向きなお返事いただき、早速、今週末に秘密会議を立ち飲み屋で企画しました。医学とデザイン、科学と芸術が一緒になれば、香川大学からまったくヘルスサイエンスを提案できるかもしれません!

写真:ここは「和」のテーマ

香川大学医学部は、常に「人の健康と未来」を見つめながら、柔軟な発想と確かな技術で新しい挑戦を続けています。科学だけでは解決できない問題に、芸術や感性の力を加えることで、新しいサイエンスを創造していけると信じております。これからも香川大学医学部は地域や社会とつながりながら、健康で幸せな未来をつくるための「開かれた学びと実践の場」であり続けますので、今後とも何卒温かいご支援をお願いいたします。

写真:上からスキューバーで入って掃除するそうですが、体の大きな方はNGだそうです


P.S.
新しい「ふるさと納税」制度のお知らせ

令和7年3月より、香川大学医学部が位置する三木町へのふるさと納税制度を活用して、香川大学医学部・医学部附属病院をご支援いただくことができるようになりました。
未来の医療を担う香川大学医学部の学生や大学院学生、医学部附属病院の研修医及びその指導を行う関係者らのために、本制度によるご寄附にご賛同を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
香川大学医学部は、「地域に根ざし、世界に羽ばたく医療人を育てる」ことを大切にしています。そのためにも、皆さまの温かい応援がとても力になります。「未来の医療を支える学生や医療人のために、一緒に応援しよう!」そんな気持ちでご協力いただけると大変嬉しいです。
是非とも以下のリンクかQRコードをから、どうぞよろしくお願いいたします!https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~redevelop/index.html

 

https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~furusato/