生まれ変わる香大医とともに:医学部長ブログ

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5つの地方の国立大学医学部による研究協定締結に対する記者会見

 

写真:NHKをはじめとした18社のメディアの方にお集まりいただきました

先週の金曜日、私は香川大学医学部を代表して、東京都内で行われた重要な記者会見に参加してまいりました。この記者会見では、高齢化社会が進むなかで直面する医療課題に対応するため、香川大学を含む5つの地方の国立大学(山口大学秋田大学鳥取大学旭川医科大学)による研究協定締結が公表され、メディアによる質疑応答が行われました。それぞれの大学が、地域に根ざした医学研究の強みを持ち寄って協力し、がんや認知症、免疫疾患、血管病変などの難病に対する新しい治療法や予防法の開発に取り組むため、新たなネットワークを「Alliance 5(アライアンス・ファイブ)」を発足させることを発表しました。

日本は現在、世界で最も高齢化が進んでいる国として知られていますが、そのなかでも今回ネットワークに参加している5大学が位置する地域は特に高齢化の進行が著しい「超高齢エリア」となっています。つまり、私たちは“世界で最も高齢化が進んだ地域”で医療を進めていることになります。これは、社会的な医療問題だけではなく、学問的にも非常に大きな意味を持ちます。なぜなら、ここには高齢者特有の複雑な病態やいくつもの病気を同時に持っている状態を抱える患者さんが多く、現代医学がまだ解明しきれていない「老化と病気の関係」を直接観察し、研究できるという “世界でもまれに見る現場” が広がっているからです。世界中の研究者が解決に挑んでいる高齢化に由来する難病の謎に、私たちが最前線で立ち向かうことができる、それこそがこの「Alliance 5」の大きな使命であると考えます。

当日の記者会見はすでに全国紙などでも紹介されております。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20250801/4060023801.html
https://japantoday.jp/地方の国立5大学が医学研究で連携%E3%80%80超高齢社会に/
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/689571

今回の連携により、5大学は合計でおよそ700万人分の患者データと検体を収集・解析できる体制を整え、地域に暮らす高齢者の医療情報を活用してAI(人工知能)などの先端技術による研究を進めていきます。香川大学は、瀬戸内の温暖な気候と豊かな自然環境を活かし、希少糖やオリーブなどの天然素材を用いた先進的な健康科学の研究に力を入れてきました。また、大学病院では一人の患者さんに対して複数の診療科が連携して診療するという、地方医療ならではの強みを発揮しています。今回のネットワークでは、そうした各地域の医療現場が持つ独自の視点を生かしながら、まずは3年間かけて基礎となるデータ収集と解析を行い、その後、革新的な薬や検査法の開発に挑戦していく予定です。香川大学医学部は世界最高レベルの高齢化地域で蓄積されてきた医療知見を生かし、この「Alliance 5」の中核メンバーとして、新しい医療の可能性を切り開いてまいります。今後も、地域に根ざしながら世界へと貢献できるよう、ベストを尽くしてまいる所存ですので、引き続き応援を宜しくお願い申し上げます!

 

写真:始発のフライトで朝ごはん食べなかったので、会場近くの「よも田そば」のワンコイン・モーニングセットで腹ごしらえしてから会見へ


P.S.
新しい「ふるさと納税」制度のお知らせ

令和7年3月より、香川大学医学部が位置する三木町へのふるさと納税制度を活用して、香川大学医学部・医学部附属病院をご支援いただくことができるようになりました。
未来の医療を担う香川大学医学部の学生や大学院学生、医学部附属病院の研修医及びその指導を行う関係者らのために、本制度によるご寄附にご賛同を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
香川大学医学部は、「地域に根ざし、世界に羽ばたく医療人を育てる」ことを大切にしています。そのためにも、皆さまの温かい応援がとても力になります。「未来の医療を支える学生や医療人のために、一緒に応援しよう!」そんな気持ちでご協力いただけると大変嬉しいです。
是非とも以下のリンクかQRコードをから、どうぞよろしくお願いいたします!https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~redevelop/index.html

https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~furusato/