先日、順天堂大学を訪問してまいりました。今回の訪問は、医学部長特別エグゼクティブ・アドバイザーとしてもご助力いただいている香川大学客員教授でもあられる矢野裕一朗教授からのお声がけによるものでした。私は矢野先生がまだ研修医だった頃から高血圧に関する共同研究をともに行っておりましたが、矢野先生はアメリカに渡られて輝かしい業績を上げられ、帰国後は横浜市立大学、滋賀医科大学を経て順天堂大学に移動され、現在は「順天堂大学AIインキュベーションファーム」のセンター長として医療×AIを融合させた新たな取り組みを精力的に進めておられます。

写真:順天堂大学AIインキュベーションファーム
今回、スタンフォード大学のブライアン・リン教授が来日され、順天堂大学で特別セミナーを開催されるということで参加しました。AIインキュベーションファームはまるで映像スタジオのような自由な空間づくりがなされており、斬新なアイディアをすぐに形にできる環境が整っています。ここでは医師、研究者、企業の技術者が一体となって、新しい医療機器の開発や診断支援技術の研究が進められているそうで、日本発のイノベーションを世界へと発信する拠点を拝見して大変刺激を受けました。香川大学医学部としても、このような挑戦的な場と積極的に連携し、研究と教育の両面で相互に成長できるような関係性を築いていきたいと強く感じました。なお、研究会の内容については、明日、詳細にレポートしたいと思います。

写真:チームArt Medicine、左から矢野教授、リン先生、三戸麻子先生(国立成育医療センター)
さらに今回の訪問では、香川大学が東京藝術大学とともに推進している大型研究プロジェクト「J-PEAKS(ジェイ・ピークス)」の一環として、今後取り組もうとしている「アート・メディスン(Art Medicine)」という新たな研究分野についても、矢野教授やリン教授と意見交換をすることができました。アート・メディスンとは、芸術の持つ癒しの力を活かし、病気の治療や予防、心のケアに役立てようとする新しい医療のかたちです。音楽を聴いて心が落ち着いたり、美しい絵を見て気持ちが明るくなる、といった感覚を科学的にとらえ、医療に応用していくサイエンスです。リン教授はこの領域における世界の最先端を走っておられますが、「ぜひ香川大学とスタンフォード大学で共同研究を始めましょう!」と、非常に前向きなお言葉をいただきました。国境を越えた学術交流を通じて、芸術と医学が融合した新しい研究領域が生まれることが楽しみです。


写真:お茶の水の美味しいカレー屋さんでパチリ(本文とは関係ありません)
香川大学医学部は地域に根ざした教育・医療・研究を大切にしながらも、世界の最先端と手を取り合う挑戦を続けています。アート・メディスンという分野は、まだ芽が出たばかりの新しい研究領域ですが、人々の健康と幸福に寄り添う未来の医療として大きな可能性を秘めていると考えます。これからも香川大学医学部は多様な分野と手を取り合い、柔軟な発想で社会に貢献してまいります。どうか皆さまの温かい応援を引き続き賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

写真:本年の日本腎臓学会総会にて、南学正臣理事長(東京大学医学部長)より国際貢献に対して感謝状をいただきました(本文とは関係ありません)。こういった経験を香川大学医学部の国際化にもつなげていきたいと思っております。
P.S.
新しい「ふるさと納税」制度のお知らせ
令和7年3月より、香川大学医学部が位置する三木町へのふるさと納税制度を活用して、香川大学医学部・医学部附属病院をご支援いただくことができるようになりました。
未来の医療を担う香川大学医学部の学生や大学院学生、医学部附属病院の研修医及びその指導を行う関係者らのために、本制度によるご寄附にご賛同を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
香川大学医学部は、「地域に根ざし、世界に羽ばたく医療人を育てる」ことを大切にしています。そのためにも、皆さまの温かい応援がとても力になります。「未来の医療を支える学生や医療人のために、一緒に応援しよう!」そんな気持ちでご協力いただけると大変嬉しいです。
是非とも以下のリンクかQRコードをから、どうぞよろしくお願いいたします!https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~redevelop/index.html

https://www.med.kagawa-u.ac.jp/~furusato/