卒業生紹介シリーズ⑤人見浩史 先生(1996年卒)

久しぶりの卒業生紹介シリーズです。今日は、波乱万丈人生の関西医科大学医学部iPS・幹細胞再生医学講座・人見浩史教授を紹介します。

栃木県ご出身の人見先生は香大医に入学後、清元・姫路市長(https://nishiyama-akira.hatenablog.jp/entry/2024/01/18/123315)に勧誘されてバレー部に入部しましたが、麻雀とパチンコに明け暮れて1年生でいきなり留年するも、そこから一念発起(?)して、卒後は清元市長を慕って香大医・腎臓内科に入局されました。私は学生時代から人見先生に注目しており、特にパチンコではこの台と決めたら絶対出るまで移動しないという粘り強さと、麻雀はいつもプラスマイナス・ゼロ(いわゆる接待麻雀のプロ)という天性のバランス感覚には一目置いていました。

大学院入学後に私と一緒に基礎研究していましたが、留学希望を相談されましたので、薬理学OBの福井敏樹先生(現・オリーブ高松メディカルクリニック院長)を通じて米国アトランタのエモリー大学のKathy Griendling先生(通称キャシー)のところに面接に連れて行くことになりましたが、その時のことは一生忘れられません。面接直後にエモリー大学校舎前で「どうだった?」と人見先生に聞いたのですが、「よくわかりません」と弱々しい返事のみでした。「そっかぁ〜、彼女もアメリカ人やし、結構シビアなんやろなぁ、まぁお疲れ」とタバコに火をつけてあげたら、まさか、、、、キャシーが目の前を苦笑しながら通っていきました(これに懲りて、現在は二人ともタバコをキッパリとやめています)。

「落ちたな、こりゃ」と失意の中での帰国でしたが、まさかの採用決定で無事留学。帰国後は薬理学で研究を続けてくれるというので、面識のあった山中伸弥先生にお願いして京都大学iPS研究所と香大医・薬理学とのクロスアポイントメントをいただき、長船健二教授のご指導で2017年に世界初のエリスロポエチン産生細胞樹立に成功しました。

写真左はその際のScience誌による記者会見(京都大学iPS研究所)、右は今年の同門会にて

 

人見先生はiPS研究所での業績が認められ、2018年に関西医科大学医学部iPS・幹細胞再生医学講座教授にご就任され、今や世界をリードされる大教授まで上り詰められましたが、律儀にいつも香大医のイベントには足を運んでくださいます。

人生、山あり谷ありですが、人見先生、これからも香大医をよろしくお願い申し上げます!